来年の春に小学生になる娘用にランドセル作ります!
無難に既製品を購入する事も考えましたが、革細工を営む親として手作りランドセルのプレゼントは避けては通れぬ道でしょう。
まずは、どんなランドセルが欲しいか聞いてみたとこ…。
・ピンクでカラフルカラー
・フリフリのレースが付いた仕様
・夜になると光る
・ディズニープリンセスのランドセル
などなど、メルヘンリクエスト連発です。
どんなランドセルにするか話し合うと激しい衝突となり、歩み寄りが不可と判断したので、独断と偏見で制作する事にしました。
コンセプトは…。
「大人になっても使いたいランドセル」
だってランドセルって6年使ったらお役目御免的な流れですよね。
それってエコじゃないし、寂しい。
けど、ランドセルって大人になっては使いたくない。
などなど問題点を捉えつつ、まずは型作りとなります。
現役&引退したランドセルを夏休みの期間にお借りし、3サイズなり仕立て方をリサーチ。
大人になっても使いたいランドセルの条件としましては…。
・6年間酷使した上で、大人になっても使える耐久性
・子供から大人まで愛されるデザイン
・収納の工夫など利便性
この3つが特に大きなポイントです。
それらを踏まえ、オリジナルランドセルはどんな作りにしようか試行錯誤しながら型作り。
普段の作り方ですと、全てのパーツを断裁してからの制作ですが、今回は過去最多の革の使用量&パーツの多さとなり、構想の段階で完璧な型紙制作が困難を極めました。
そこで、本番パーツの制作と試作と微調整を組み合わせた複合プランで進行します。
女の子用という事もあり、赤パーツ大量生産。
染色・ステッチ・レース・コバ共に赤攻めです。
Leathercraft ZUNIが制作するからには、カービングは付き物。
ガッツリカービング施すパーツもあります!
型作りしている段階で感じた最大の山場は背中面。
クッション性も考慮し、2cm厚の高反発ウレタンを背中とショルダー部に埋め込みます。
背中面に関しては木枠まで作りました。
埋め込み完了しましたが、さすが2cmあるだけに、かなりのぷっくり感です♪
サイドパーツに小さめのポケットも備え付けたりと、だいぶ完成が見えてきました。
完成が見えてきた段階で、まだ寸法すら決めていないパーツもありますけど笑。
それだけ今回のランドセルは苦戦を強いられました。
制作期間中は風呂に入ってる時や飯時にも、段取りや作り方を考えてましたねー。
その中でも精神的にキツかったのが、多額の材料費と時間を掛けながらも完成に至らなかった場合の未熟さと、晴れて完成したものの、「こんなランドセル嫌だ!」とギャン泣きしながら拒絶される恐怖。
ただ、仕立てやデザインは独断で決めたので、一方的に「これを使いなさい!」
という押し付けは良くないので、プレゼント時には好みじゃないから使わなくても、高学年になってから使い始めるなり大人になってからでも使ってくれたらな…。
と、淡い期待を胸に制作していたある日…。
「アンピカ(光るランドセル)買うから父ちゃん作らなくていいよ」
と、悪気はないのだろうけど、強烈なブーメランフック発言を浴び、ガラスのハートは崩壊寸前。
作るの放棄しようかと自棄になりかけたけど、そこはグッと堪え、ここまで来たからには後戻りができぬと作り続けたある日、だいぶ完成が見えてきたからなのか、
「やっぱり父ちゃんのランドセルがいいー!」
と言ってくれた時は有頂天に昇る感動でした☆
そんな一波乱もありましたが、父ちゃんの愛情が詰まった渾身の作品完成です!
出来上がったランドセルがコチラ♪
赤とナチュラルの2トーンカラーです。
蓋が全面バージョンですと、どれだけカービングなり細工を試みてもランドセル感が残ってしまいますので、半蓋仕上げで制作する事にしました。
蓋の取り外しはワンタッチ金具で、蓋と本体の間に服など挟める様にサイズ調整も可能です。
蓋を外すとカービングの全貌が!
続きまして背中及び肩掛けパーツ。
肩パーツは表面は赤染で裏側はナチュラル残しにしました。
全体的に色の使い方なのかレトロな雰囲気を感じるのは僕だけでしょうか?
取っ手と蓋の付け根も拘っております☆
サイドには、背負ったまま取り出しもできるポケットを装着。
ランドセルって大きい割に、小さな物を取るのにも、毎回降ろしては蓋を開けて…。
と、使い勝手が微妙な一面がありますが、両サイドにポケットを備え付ける事により利便性も向上♪
内張りもオールヌメ革です。
外張りと内張りの間にファイバーボードも埋め込んでいますので、強度もバッチリ!
早速背負ってもらいましたが、デカいね笑。
存在感バリバリやけど、よく似合っておる♪
嫁にも背負ってもらいましたが、大人が背負うとこんな感じー☆
コトリさん大事に使ってねー!
小学校楽しみですな☆
ランドセルの経年変化と共に沢山成長して下さーい♪
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バイクで日本一周旅後にレザークラフトを学び、Leathercraft ZUNIとして活動を開始。
向上心・好奇心を忘れる事なく、ハンドメイドならではの温もり溢れる作品を、ひとつひとつ魂を込めて制作しています!